高専からの就職†
- 高専では、就職の良さを売りの一つとしています。
石川高専を例にとると、求人倍率が約27倍と高いことや、
地元企業への就職の強さ*1などが紹介されています。
他にも、就職率が99%を超えることなどが推されています。
- 求人倍率が全高専平均で20程度あること*2は、
大学生の求人倍率が1.7程度であるのと比べて
大きな強みとなっています。
- 目次
就職の概要†
- 高専では、卒業生の約6割が就職、
残りの4割が進学を選択しています。*3
- これは、国立高専の平均値であり、
卒業生の75%が進学する明石高専などもあるように、
各高専ごとに傾向が異なります。
進学について知りたい方は高専の進学のページをご覧ください
就職先の例†
- 長野高専機械科の例を見ると就職先は以下のようになっています。
アスザックフーズ株式会社, 航空自衛隊一般曹候補生, 国立大学法人信州大学施設系技術職員, コトヒラ工業株式会社, サントリースピリッツ株式会社, 新光電気工業株式会社, 株式会社SUBARU, セイコーエプソン株式会社, 株式会社タマディック, 株式会社ディスコ, 長野オートメーション株式会社, 長野電鉄株式会社, ファナック株式会社, 本田技研工業株式会社, 株式会社前田製作所, 丸文通商株式会社, 森永乳業株式会社, 株式会社Uホールディングス
引用元:長野高専HP
- この高専の例では、就職先の大きな傾向として
地元企業(長野と社名につくところなど)が目立ちます。
また、スバルやセイコーエプソン、ファナック、ホンダなど
大手企業も見られます。
- 高専から就職する人は、大学からの就職者に比べると、
傾向として地元企業志向が強いといえます。
これは、都市圏に立地する高専でも同様です。
一方で、大手企業も高専出身の人材を採用しており、
一定数全国規模で働こうという学生もいます。
就職の強み†
- 地元の名のある企業では、
高専生は50年以上前から活躍しておられ、
同高専出身者への安心感などから有利に就職が可能です。
ゆえに、地元での就職には強みがあります。
- また、全国規模の大企業についても、
「高専枠」という独自の採用枠を持っている企業が多々あり、
そこそこの難易度の大学からでは通るのが難しい企業へも
○○高専から何人という枠には入れれば採用されます。
(人気企業では学内で専攻もあるようです。)
採用「枠」†
- 高専からの就職で注意すべき点として、
複雑な採用枠の話があります。
前述のように、大企業には高専生を対象とした
採用枠があるのですが、このような枠では、
大卒者や高卒者と配属先が異なる場合があります。
- 企業にもよりますが、大卒者が主な対象となる
「総合職」と高卒・短大卒者が対象の「技術職」というように、
明確に採用枠を分けていることがあります。
この場合、総合職で入った人は将来の幹部候補として
活躍することを期待されますが、技術職で入った人は、
工場や現場での実務を中心に活躍することを期待されます。
つまり、同じ大企業に就職したとしても、
仕事・出世のスピードが全然違うということがあり得ます。
「高専枠」の場合、総合職的な役割と技術職的な役割の間となり、
企業によって総合職と同等か、技術職と同等という
どちらにもなりえますので入社前によく調べることをおすすめします。
就職活動†
編入学試験について†
- 編入学試験の受験科目は、
一般の大学受験に比べて少ない科目数です。
数学・物理(学科による)・TOEIC・面接
引用元:東京都立大学
- 面接では、受験する専攻の知識をメインに、
高専での研究内容などを聞かれることが多いようです。
そのため、受験直前に対策するのではなく、
日頃から勉強をコツコツやっておくことが必須です。
- 高専からの大学編入では、
自分の専攻以外の工学部を目指すこともできます。
例えば、高専の建築科→大学の情報学部など
- この場合、数学や英語といった科目は共通ですが、
受けたい学科に応じた専門科目の学習と、
学科を変えたい理由を練っておく必要があります。
できれば、建築科での研究中にプログラムで
解析をする機会があって、深く学んでみたくなった。
そこで、貴校の〇〇研究室に入れれば
研究できると思った、など
具体的な理由があると良いです。
なぜ編入学する人が多いのか†
編入のメリット†
- 注意点
- ※学部により、受験科目が違う場合もある
※年度によって受験日程が被る場合も多い
(例えば、横国大と都立大は併願可能な年もあった)
以上のことから、受験戦略は年度や、
得意とする科目で変わるため、
よくHPなどを確認することをおすすめします。
- ここまで説明した2大メリットに加えて、
高専での成績による受験の足切りが、
多くの場合無いことなど、
高校からの大学受験に比べて、
有利になる点が多いといえます。
学んでみたい学問が最初から決まっていて、
大学・大学院に行ってさらに深めたいという人にとっては、
高専5年間で技術の基礎をこなし、
編入試験の勉強を高校からの大学受験ほど
労力をかけずに進められるため、
高専からの大学編入は、
一石二鳥の方法といえます。
編入のデメリット†
- 高専からの大学進学では、
高専からの出身学部以外への進学について、
メリットがないばかりか、
高専で学んできた専門を捨てるという
大きなデメリットがあります。
- 繰り返しにはなりますが、
高専という進路を選ぶとき、
専攻は変えないことが大前提となります。
また、高専での専攻と同じ大学に進む場合でも、
高専での学びは高校~大学1・2年で学ぶ教養の面で
薄いという特徴があります。
学びたい学問は定まっていないけど、
大学編入のメリットを生かしたいという人も
いるかもしれませんが、
専攻を変えられないデメリットは大きく
悩みの種にもなるので注意です。
高専を進むか迷う人は高専を選ぶべきか?のページをご覧ください
文系学部という道†
- 専攻を早めに決めてしまう(しかも5年間同じことを学ぶ)ことになるため、
やりたいことが中学卒業段階で決まっている人にはもってこいの学校ですが、
途中で学びたいことや進路を変えるのが難しい学校ともいえます。
高専に進むか迷う方は高専を選ぶべきか?のページをご覧ください
コメント欄†