高専を選ぶべきか?†
- 高専は、中学卒業者のうち約1%という、
世間的にも珍しい選択肢です。
そのため、高校と比べて独特な要素があります。
このページでは、高専の特徴と、
高専に向いている人向いていない人について解説します。
- 目次
高専の独自性†
- 高専は、全国各県に概ね1校*1あり、
高校+短大のイメージである5年一貫教育や自由な校風、
学生寮があり他県からも通学者を集めていることなど、
数多くの特徴があります。
また、高専の中でも私立や公立・国立の別、
学生寮の有無など多くの違いがあります。
ここでは、高専全体に共通する事項について解説していきます。
高専の概要については高専とはのページをご覧ください
学校生活†
- 高校との違いとして最も大きいものは、
自由な校風にあるといえます。
高専により制服のありなしは違いますが、
高専生は「学生」と呼ばれ*2、
校則は比較的緩い場合が多いです。
制服のない場合は特にですが、服装や髪型・ピアス、
持ち物などに制限がない場合が多く、
スマホ持ち込みはもちろん、実験・実習などのため、
PCを活用する学生も多くいます。
- このような校則の緩さというのは、
大学生をイメージすると良いと思います。
人に迷惑をかけなければ先生が何か言ってくることは
ほとんどありません。
- 自由さという高専の魅力ですが、
自由ということはそれに対する責任もあります。
高校であれば、先生が生活態度や進級・卒業などに、
うざったく感じたとしても積極的に関わってくれますが、
高専では、自主性として基本的に先生は関わってきません。*3
人の特徴†
- 中学時点で専攻を決めていることから、
同級生にはその専攻に強く惹かれている人が多く、
技術系の話などで盛り上がれる環境にあります。
最初の段階で友達は作りやすいといえそうです。
探求心が強く、自主性の強い人であれば、
このような空気感を楽しみ、実のある高専生活に
必ずやしていける環境です。
また、周りに意欲ある人がいるため、
高めあうことも可能でしょう。
中学卒業時点で、似たような興味や趣向を持った人と、
出会える環境になっているのも魅力といえそうです。
反面、自分と全く違うような性格や趣向を持った人が少なく、
人格形成的な点では一長一短であるともいえます。
課外活動(部活動)†
- 課外活動は、野球部や水泳部・吹奏楽部など、
一般的なものもありますが、高専独特の部活も多くあります。
その最たる例がロボット部でしょう。
高専ロボコン*4というコンテストを目指して、
日夜ロボットの技術習得と制作に励んでいます。
他にも、プログラミング部など特色ある部活が多くあります。
部活は興味があったり参加したければ入るような空気で、
特に強制されたり強く勧誘されたりはしません。
- 1年生から大学スタイルの90分授業です。
大多数の科目は高校と同様にホームルーム教室で、
一斉に講義を受けます。時間割は空きコマなく、
卒業までまずまず多い授業数をこなします。
実験・実習科目も1年生のうちからあり、
レポート提出が毎週課されます。
いずれ慣れていきますので、心配はありません。
留年について†
- 自由さに関連する重要な話が「留年」です。
同じ学年をもう1回という処分で高校でもありますが、
その割合が3.7%と高校の10倍にもなる*5*6のが特徴です。
その原因は、勉強が難しいというよりも、
赤点が60点と高いことや出席・課題レポート不足にあります。
そして、それらはやれば(基本的には)できるものです。
赤点に関しては、各科目が満遍なくできる必要があり、
よく言われることですが、理系科目は積み木のように、
数学基礎→専門基礎→専門応用などと発展していきますので、
どこかでつまづくと取り返すのが大変になります。
とにかくコツコツ勉強する必要があります。
出席やレポートに関しては、それぞれ特に難しい訳ではないのですが、
趣味に没頭したり先延ばしにしたりしておろそかになってしまい、
基準が満たせなくなるというケースが多いです。
レポートの締め切りは厳守で、教員も期限に厳しい人は多いですし、
出席に関しても同じく厳しい場合が多いです。
- こうした留年の要因は、学生の自主性が足りないことに尽きます。
自由な校風ゆえ、生活習慣が乱れがちになったり何かに没頭したとき、
学業がおろそかになっても厳しく先生に指導されない場合があります。
つまり、自由ということは自己責任と一体です。
高専を選ぶべきか?†
- ここまで、長くなりましたが高専の特徴を示しました。
まとめると、繰り返しになりますが、自由な学校です。
また、中学卒業時点で専門をしっかりと持ち、
興味関心と意思を持っている人にとって、
似た趣向をもつ仲間に出会える良い環境といえます。
高専に向いている人†
- 自分が歩みたい分野が決まっている人
中学卒業時点で専攻を決めて、5年間通してその専攻を勉強できます。
選んだ専攻では、就職も進学も有利に進めることができます。
- 早く専門の勉強をしたい人
普通高校より一般科目が少なく、早くから実験実習や専門科目を経験できます。
また、同じ興味を持つ同級生にも早く出会うことができます。
- 「自由」を楽しめる人
普通高校より校則が少な目で、先生に何かと言われる機会は比較的少ないです。
そのため、好きなことを追求できる環境です。
しかし、自分で計画的に課題も勉強もこなさないといけません。
強制されないと勉強するのが辛い人には厳しいかもしれません。
高専に向いていない?人†
- やりたいことが決まっていない人
- 中学卒業時で分野を決めてしまうため、ある意味将来選択できる幅は少ないです。
特に、文系や全く違う専攻に進みたくなった場合は進路を変えるのが難しいです。
- なりたい仕事が決まっていない人
高専に入る時点で、進学するにしろ、就職するにしろ、
ある程度方向性が決まってしまいます。じっくりと考えて仕事や将来のキャリアを
決めたいという人は、普通高校から大学に進む方がよいかもしれません。
- キャリアに関しては、早めにやりたいことを決めて選択肢を狭める代わりに、
その専攻に応じた就職・進学が有利になるイメージです。
なるべく早く専攻に取り組んで、仲間を見つけるメリットも多いにあると思いますし、
タイプの違う人に揉まれて何をやりたいか考えることにもメリットがあると思います。
この点においては、本人の個性次第でしょう。
- 学校生活においては、先ほど述べた通り普通高校との違いが多くあります。
授業・実習レポート等で意外に時間的なゆとりは少ないかもしれません。
しかし、就職・進学ともに特定の時期に忙しくなりにくいことも特徴です。
決まった時期にまとめて努力するのか、コツコツ努力するのかという、
こちらも本人の個性次第になると思います。
その他の判断材料†
- 自主性は、高専でよく強調されることの一つです。
何に対しても自分の意見を持って、行動していける人は、
高専で学業も、自分自身の成長もしていけます。
中学卒業時点でなりたいもののために自分で決心をし、
努力を惜しまないという気構えがあれば、
実のある高専生活になります。
- 主観ですが、「オタク的」であることは高専生が、
よく持ち合わせている特徴であるように感じます。
これは、何もアニメやゲームなどのサブカルへの興味があるだけでなく、
「特定の何か」に没頭できる能力が高いということです。
理工系の専門を勉強していくにあたって、
好きなことへの熱意や知的好奇心があることは何より有利です。
没頭できるものを持っている人には高専がおすすめできます。
- 理系科目ができるかは、
高専の勉強を進めていくのに必須の条件です。
しかし、数学や物理が全くできないのでなく、
本人の苦手意識があるのでなければ、努力すれば、
問題なく高専でやっていけるかと思います。
しかし、挫折しないためにもどうしても○○になりたい、
という気持ちを強く持って、自分で決める必要があります。
コメント欄†