高専の概要†
- 高等専門学校は、高等教育機関(卒業すると学位が授与される*1学校)です。
その特色は5年間(商船学科は5年6か月)の教育課程にあり、
高校+短期大学を通して在籍するようなイメージで教育が行われます。
- 2023年現在、全国に57校(国立51校・公立3校・私立3校)が存在しますが、
高専の入学者数は毎年1万人前後と中学校の卒業者が100万人以上いる中で、
1%を切るという比較的珍しい進路になっています。
- 目次
- 工業系(化学科・建築科・機械科など)や商船系、なかにはビジネス系など
1つの専門を5年間かけて学べるのが最大の特徴です。
多くの場合、1年生から各学科に配属されるため、
高校生の段階から専門知識を学べるというメリットがあります。
- 専攻を早めに決めてしまう(しかも5年間同じことを学ぶ)ことになるため、
やりたいことが中学卒業段階で決まっている人にはもってこいの学校ですが、
途中で学びたいことや進路を変えるのが難しい学校ともいえます。
高専に進むか迷う方は高専を選ぶべきか?のページをご覧ください
- 工業系
- 建築科・機械科・土木科・化学科・情報科・電気科など
- その他
- 商船科・デザイン学科・ビジネス学科など
学科の一覧は文部科学省のHPにあります。
学校生活†
以下の節では、工業系高専生の生活について書いていきます。
学習面†
- 授業は、1・2年生の段階から数学・化学・物理など理系の基礎科目と、
各学科の専門基礎科目を並行して進めていく形態になっています。
学年が進むにつれて専門科目の比重が上がっていきます。
- 一般的にいって、大学受験に必要になるような教養的科目に薄く、
理系の実務で必要とされるような科目が厚い構成となっており、
卒業時に即戦力の技術者になれるような教育方針です。
しかし、教養科目の少なさのため、
後述する大学受験などでは若干不利だともいえます。
- 授業の課題を大量に出されることは少なく、
勉強を強制される環境では(先生次第ですが)ありません。
しかし、普通の高校に比べて赤点が60点と高く、
テストで60点以下を取ると単位を落としてしまいます。
- 1・2年の段階から必修の実習が毎週のように課されるため、
実習レポートを大量に毎週出し続けなければなりません。
時間を自由に使えるという点では良いのですが、
日頃の学習と合わせて自主的に作業することが求められます。
- 大学のような自主性重視の教育方針と相まって、
ちょっとサボると簡単に留年します。
ですから、良くも悪くも自主性が重視される学校です。
そのあたりは入る前に覚悟も必要です。
生活面†
- 高専生活では、制服がない学校もあり、
低学年のみ着用など、服装には制約が少ないといえます。
また、髪色・髪型が自由な学校も多くあります。
身なりの自由さは多くの高校よりも高いといえそうです。
- 持ち物についても自由度が高く、スマホはもちろん、
ノートパソコンは低学年から学校で使っている人もいます。
放課後に遊ぶ用のゲーム機やトレーディングカードなど、
趣味的なものまで制限なく持ち込むことができます。
- このように、校則の制限がほとんどない学校で、
先生も生活態度などに干渉してくることは少ないため、
自由な校風・雰囲気の学校です。
- 多くの高専(国立・私立全校)では、学生寮が設置されており、
自宅から遠い学生は寮に入ります。
寮は2人部屋・3人部屋が多く、共同生活の輪に入ります。
- 寮の生活では、掃除当番やごみ当番など、
家事を役割分担します。低学年のうちは、
家事の分担も重めで、人間関係に慣れるため、
苦労もまずまずあります。
- 門限や点呼もあり、集団生活ゆえの不便さはありますが、
生活力が身に付き、寮食も提供されるため、
規則正しく過ごすことができます。
身近に友人がいるという環境も何かと良いものです。
詳しくは寮生活のページをご覧ください
金銭面†
詳しくは高専の進学のページをご覧ください
専攻科†
- 高専には専攻科という課程が設置されています。
5年間を高専で過ごした後、さらに2年間通うことで、
学士の学位が得られ、大学卒と同じ扱いになります。
- 専攻科修了後は、就職以外にも、
大学院への編入学という道もあります。
- 専攻科に入る大きなメリットとして、
学費が大学の半額であるという点と、
研究が継続して行えるという点があります。
詳しくは高専の専攻科のページをご覧ください
コメント欄†