#author("2024-01-14T10:21:22+00:00","default:admin","admin") #author("2024-01-14T14:19:50+00:00","default:admin","admin") #nofollow #norelated *高専の概要 [#y1b41715] -高等専門学校は、高等教育機関(卒業すると学位が授与される(( 学士など学位に準ずる称号である準学士が得られる))学校)です。~ その特色は''5年間(商船学科は5年6か月)の教育課程''にあり、~ 高校+短期大学を通して在籍するようなイメージで教育が行われます。~ ~ -2023年現在、全国に57校(国立51校・公立3校・私立3校)が存在しますが、~ 高専の入学者数は毎年1万人前後と中学校の卒業者が100万人以上いる中で、~ 1%を切るという比較的珍しい進路になっています。~ ~ -目次 #contents ~ **特徴 [#i57b635f] -工業系(化学科・建築科・機械科など)や商船系、なかにはビジネス系など~ 1つの専門を5年間かけて学べるのが最大の特徴です。~ 多くの場合、1年生から各学科に配属されるため、~ ''高校生の段階から専門知識を学べる''というメリットがあります。~ ~ -専攻を早めに決めてしまう(しかも5年間同じことを学ぶ)ことになるため、~ やりたいことが中学卒業段階で決まっている人にはもってこいの学校ですが、~ ''途中で学びたいことや進路を変えるのが難しい学校''ともいえます。~ ~ &size(20){高専に進むか迷う方は[[高専を選ぶべきか?]]のページをご覧ください};~ ~ **主要な学科((文科省HP:https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kousen/tokushoku/001.htm)) [#j9754635] :工業系| 建築科・機械科・土木科・化学科・情報科・電気科など :その他| 商船科・デザイン学科・ビジネス学科など~ 学科の一覧は[[文部科学省のHP:https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kousen/tokushoku/001.htm]]にあります。 ~ **学校生活[#hca411c7] 以下の節では、工業系高専生の生活について書いていきます。 ***学習面 [#ib54aed5] -授業は、1・2年生の段階から数学・化学・物理など理系の基礎科目と、~ 各学科の専門基礎科目を並行して進めていく形態になっています。~ 学年が進むにつれて専門科目の比重が上がっていきます。~ ~ -一般的にいって、大学受験に必要になるような教養的科目に薄く、~ 理系の実務で必要とされるような科目が厚い構成となっており、~ 卒業時に''即戦力の技術者''になれるような教育方針です。~ しかし、教養科目の少なさのため、~ 後述する''大学受験などでは若干不利''だともいえます。~ ~ -授業の課題を大量に出されることは少なく、~ 勉強を強制される環境では(先生次第ですが)ありません。~ しかし、普通の高校に比べて''赤点が60点と高く''、~ テストで60点以下を取ると単位を落としてしまいます。~ ~ -1・2年の段階から必修の実習が毎週のように課されるため、~ 実習レポートを大量に毎週出し続けなければなりません。~ 時間を自由に使えるという点では良いのですが、~ 日頃の学習と合わせて自主的に作業することが求められます。~ ~ -大学のような自主性重視の教育方針と相まって、~ ちょっとサボると''簡単に留年''します。~ ですから、良くも悪くも自主性が重視される学校です。~ そのあたりは入る前に覚悟も必要です。~ ~ ***生活面 [#a3eb65db] -高専生活では、制服がない学校もあり、~ 低学年のみ着用など、服装には制約が少ないといえます。~ また、髪色・髪型が自由な学校も多くあります。~ 身なりの自由さは多くの高校よりも高いといえそうです。~ ~ -持ち物についても自由度が高く、スマホはもちろん、~ ノートパソコンは低学年から学校で使っている人もいます。~ 放課後に遊ぶ用のゲーム機やトレーディングカードなど、~ 趣味的なものまで制限なく持ち込むことができます。~ ~ -このように、校則の制限がほとんどない学校で、~ 先生も生活態度などに干渉してくることは少ないため、~ 自由な校風・雰囲気の学校です。~ ~ -多くの高専(国立・私立全校)では、学生寮が設置されており、~ 自宅から遠い学生は寮に入ります。~ 寮は2人部屋・3人部屋が多く、共同生活の輪に入ります。~ ~ -寮の生活では、掃除当番やごみ当番など、~ 家事を役割分担します。低学年のうちは、~ 家事の分担も重めで、人間関係に慣れるため、~ 苦労もまずまずあります。~ ~ -門限や点呼もあり、集団生活ゆえの不便さはありますが、~ 生活力が身に付き、寮食も提供されるため、~ 規則正しく過ごすことができます。~ 身近に友人がいるという環境も何かと良いものです。~ ~ &size(20){詳しくは[[寮生活]]のページをご覧ください}; ~ ***金銭面 [#p73dd980] -高専の大きなメリットは、授業料の安さにあります。~ 国立高専の学費は以下のようになります。~ 初年度:319,200円 2年目以降:234,600円 ~ -この学費単体では、公立高校の学費が全国一律で、~ 年額118,800円となっているのに比べると、~ 倍以上の額になります。~ ~ -しかし、''大学まで考えるとその差が大きく逆転''します。~ 公立高校から国立大学に進学する場合には、~ 約280万円を要するのに対して、~ 高専から国立大学に進学した場合には、~ 約225万円と''50万円''安く上がります((総額では公立高校無償化を考慮していない。高専も適用対象ですが、詳しくは[[高専でかかるお金]]のページをご覧ください))。~ ~ -高専からの大学編入では、予備校を利用しない人も多く、~ 大手予備校で年額100万円程度必要なことを考えると、~ 150万円程度の開きが生まれることになります。~ ~ &size(20){詳しくは[[高専でかかるお金]]のページをご覧ください}; ~ ~ **進路 [#w1002bdf] ***就職 [#k72258a1] -多くの高専が就職率の高さを売りにしており、~ 実際に就職率は''100%''に迫る高い数字を誇ります。~ 求人倍率も20倍以上((NHK:https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/92376.html))と高く、就職に定評があります。~ ~ -就活のスタイルは、民間企業なら推薦を使えることもあり、~ 就職活動の負担も小さいといえそうです。~ ~ -就職先の質も一般的に高めであり、~ ''大手メーカー・インフラ''等の求人も充実しています。~ 本田技研工業・東レ・旭化成・SUBARU・京セラ・クボタ・JR東海・関西電力・大阪ガス などなど… [[引用元:奈良高専HP>https://www.nara-k.ac.jp/enterschool/after/]]~ ~ &size(20){詳しくは[[高専の就職]]のページをご覧ください}; ~ ~ ***進学 [#m065447c] -高専の5年生では編入試験を受けることで、~ 大学の3年次(京大・東大などでは2年次)に、~ 編入学をすることが可能です。~ ~ -多くの場合、編入学試験では、~ 一般の大学入試に比べて極めて少ない科目数で~ 国立大学を受験することが可能です。~ 大学にもよりますが、数学+専門や、~ それに英語・物理が加わる程度の科目数です。~ ~ -加えて、大学にもよりますが推薦入試が設けられており、~ 地方国立大学をはじめとして九州大学のような旧帝大にまで、~ 高専での成績+口頭試問のみで受験が可能です~ 出身学校における第4学年における成績が学科(コース)在籍者の上位5% 以内 [[引用元:九州大学HP>https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/admission/faculty/incorporation/]]~ ~ -上位の大学ほど、編入学の出願条件に~ 高専出身であることを条件づけている傾向があるため、~ この点でも大学編入学は''高専出身者に有利''だといえます((京都大学HP:https://www.t.kyoto-u.ac.jp/ja/admissions/faculty/exam3))。~ ~ ~ &size(20){詳しくは[[高専の進学]]のページをご覧ください}; ~ ***専攻科 [#p85be3c3] -高専には''専攻科''という課程が設置されています。~ 5年間を高専で過ごした後、さらに2年間通うことで、~ 学士の学位が得られ、''大学卒と同じ扱い''になります。~ ~ -専攻科修了後は、就職以外にも、~ 大学院への編入学という道もあります。~ ~ -専攻科に入る大きなメリットとして、~ 学費が大学の半額であるという点と、~ 研究が継続して行えるという点があります。~ ~ &size(20){詳しくは[[高専の専攻科]]のページをご覧ください}; ~ **高専の社会的評価(卒業生の一意見) [#vb74a4d6] -高専は世間の知名度に対して、産業界での~ 評価が高く、高い就職率を誇ります。~ 知っている人からは評価されるが、~ 知らない人には専門学校と同じ扱いで、~ 実力に見合わない評価をされる場合もあります。~ ~ -就職にしても、進学にしても、~ 一般的な高校→大学の進学就職パターンからは~ 外れることになり、不利な「思い」を~ することは多々あると思います。~ ~ -実際、私も高専在学中はバイトの仲間内で~ 知られていない学校ということで説明の必要があったり、~ 参加したインターンで大学生に混ぜられて苦労したりと~ いわゆる「普通」な扱いを受けることは少なかったです。~ ~ -そういった意味で、「普通に生きたい」~ という気持ちが一番最初に来る人にはおすすめできない~ 学校です。しかし、「工学を早くから学びたい」~ 「進学就職を有利に進めたい」という気持ちが~ 優先できる人にはうってつけの選択肢です。~ 詳しくは[[高専を選ぶべきか?]]のページもご覧ください。~ ~ **コメント欄 [#i900b126] #pcomment